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NOV 15, 2025
WORDS BY TSUJI, RYO MURAMATSU
PHOTOGRAPHS BY NAOKI USUDA
――ショート丈のフィッシングジャケットは、レイヤードしやすいのがポイント。あえて丈の異なるアイテムを組み合わせて、それを強調した着こなしにするのもおすすめ。
井田: もともとは釣り由来のシルエットなんだけど、そこにサテンを組み合わせたことによってファッショナブルなデザインになっているのがこのジャケットの魅力だと思いました。だから、このスタイリングでは思いっきりモードに振ってみました。デザイン性の高いスカートとブーツでそうした要素を表現しつつ、あえてシャツの裾を出して遊ぶようなイメージ。これで全部を引き締めてしまうと、シックになりすぎちゃうので、少し遊ばせるくらいがちょうどいいと思います。
――最後に披露するのは、スカーフを結んだシックなスタイリング。白を基調にしながらも、アウターをはじめ、効果的に差し込まれたブラックのカラーリングが着こなしを引き締めます。
井田: 秋冬だけど、軽さを出すためにホワイトを基調にしたスタイリングを組みました。そこにスカーフをネクタイのように結んでモードな要素を取り入れています。こうした着こなしに、〈ウールリッチアウトドアレーベル〉を合わせることで、スタイリングが一気にモダンになる。ツヤのあるサテンの素材も活きるし、クラシックなディテールが大人っぽさを引き立ててくれます。

――〈ウールリッチアウトドアレーベル〉の服をご覧になられて、どんなことを思いましたか?
井田: アウトドアの要素をふんだんに感じつつも、生地の使い方でファッションアイテムとして昇華していたり、普段使いしやすいアレンジが加えられている印象を受けました。考え方次第でいろんなスタイリングができそうだなと。
――井田さんご自身もアウトドア系の服を着たりしますか?
井田: もちろん着ます。それこそ〈ウールリッチ〉の古着も持っているし、ナイロン系のアウターは結構多いんです。
――そのときはどんなスタイリングを組むんですか?
井田: デニムに足元はワークブーツを合わせたりして、90年代っぽい組み合わせにすることが多いです。だけどコテコテになるのはイヤなので、古着の風合いを活かしたりしながら足し引きをするイメージ。今回、女性モデルのスタイリングに黒縁のメガネを取り入れたように、ちょっと小技を効かせて遊びを取り入れるような、そんな着こなしを楽しんでいます。


――〈ウールリッチアウトドアレーベル〉は古着の要素を感じさせつつも、それだけではない現代的な意匠を取り入れているところも魅力です。
井田: すごくシックだなって思いましたね。自分が持っている古着はもっとレトロなアウトドアの印象で、淡い水色とかピンクといった色使いをしているものが多い。だけど、〈ウールリッチアウトドアレーベル〉のアイテムは落ち着きがあるし、モダンなんですよね。だからコーディネートが大人っぽく見えるし、カジュアルにもきれいめにも着られるデザインになっているのが魅力だなと感じました。

――アウトドア系のアイテムを上手に着こなすためには、どんなことを意識したらいいですか?
井田: いつもの着こなしにサラッと取り入れるくらいがちょうどいいなって思います。例えば、今回メンズのスタイリングで、ニットとデニムに〈ウールリッチアウトドアレーベル〉のジャケットを合わせたけど、小難しく考えるよりは、ベーシックな着こなしにアウターだけアウトドアの要素を加えるくらいがまとまりがいい。それがもう既にはずしになってると思うんですよ。
――アウトドアの要素をいくつか取り入れるというよりは、ひとつでいいと。
井田: そうですね。ひとつ目のスタイリングのように全身取り入れる場合は、色を統一させたり、サイズに気を使いながらモダンなバランスになるように意識するといいと思います。でも〈ウールリッチアウトドアレーベル〉の魅力は、ワードローブの服との組み合わせのしやすさにあると思う。きちんとモダナイズされたデザインなので、アウトドアとして考えずに、いつもの服と同じような感覚で着ると、上手に取り入れられるのでおすすめです。

「川村都スタイリストスクール」を卒業後、五十嵐孝智氏に師事し、2011年に独立。雑誌や広告を中心に活動し、モードとカジュアルを巧みに融合させた、洗練されたスタイリングを数多く手がけている。